2007/08/06

(株)メロス化学が破産手続き

 (株)メロス化学(豊島区東池袋3-7-1、設立昭和43年4月、資本金6億2022万円、小林洋一社長、従業員6名)は、債権者より東京地裁に破産を申し立てられていたが、7月25日破産手続開始決定を受けた。破産管財人は増村裕之弁護士。負債は約21億6900万円(19年3月末時点)。

 同社は頭髪化粧品専業メーカーとして大手の美容材料卸会社などに頭髪・基礎化粧品を製造販売。バブル期には年商は71億円をあげるほか、美容を軸にアパレル店や飲食店、日本語学校の経営にも乗り出すなど経営の多角化を進めた。しかし、バブル崩壊による需要の落ち込みなどにより、年々売上が減少し経営が悪化。不良在庫処理や遊休不動産(社員寮・配送センター兼倉庫など)の売却で累積赤字も膨らんでいた。
 経営打開のため15年4月、100%出資する子会社「(株)ファインケメティックス」「(株)メロスコスメティックス」2社に製造・販売の営業権を譲渡、同社は持株会社に移行し、不動産賃貸及び事務代行を主業としていた。同年11月には、子会社2社の株式を経営コンサルタント会社「(株)ジャック」に譲渡。さらに同年12月には、同社と子会社2社を含むメロスグループとJASDAQ上場会社「ジェイ・エスコムホールディングス(株)」との4社間で業務提携を行うことについて基本合意書を締結していた。
 しかし、取締役会の承認を得ていなかったことから、子会社株式の売却が不当に安い価格で売却されたとして、コンサルタント会社との間で株式譲渡無効確認の係争に発展。株式売却をすすめた前社長、北村 晋次氏は18年5月に解任(係争は継続中)。さらに6月、主力行の債権が別会社に売却されるなど、厳しい経営状況となっていた。

 会社側では今回の破産開始決定について「破産申立を行った債権者とは交渉を持つべく、調整を進めていたが、折り合いがつかなかった。今後の手続きについては当社顧問弁護士・管財人と交渉を進める。子会社については経営上、特に問題はない」と話している。


< 帝国データバンク 大型倒産速報 >
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/2406.html