先日ご紹介した(株)ソシエ・ワールド以外の巨大サロンチェーンの経営計画を調べると、
①株式会社ヤマノホールディングス (JASDAQ上場)
ゴールドマンサックス証券株式会社ならびにRegis Corporation(レジス・コーポレーション)との資本・業務提携の締結を発表。ヤマノホールディングスの連結子会社である株式会社ビューティ多賀志(現在155店舗)、株式会社ビューティプラザ(現在35店舗)をサロン運営を行なうオペレーティング・カンパニーとし、同社への共同出資を通じて美容ビジネスの事業規模拡大を目指す。米国・Regisは世界最大の美容室チェーン。その拠点は世界11カ国で11,600店以上にのぼる。今回の提携により、Regisはサロンチェーンマネジメントおよびフランチャイズビジネスのノウハウを、ゴールドマンサックスがM&Aの計画や資金を、ヤマノホールディングスが山野美容専門学校など同社の持つグループ力を生かした人材の提供等を行なう。
新設、M&A、フランチャイズなどを含め、3年で500店舗、5年で1000店舗への規模拡大が目標。
②(株)アルテサロンホールディングス (JASDAQ上場)
今後10年間で(株)アッシュ(現在76店舗)、(株)ニューヨーク・ニューヨーク(現在22店舗) 、昨年子会社化した(株)スタイルデザイナー(現在122店舗)で年15~20%の増加率で出店するほか、今年4月に提携したガブルス・ジャパン(株)(メンズサロンTHE REV-OWN 現在35店舗)で直営200店、トニーアンドガイジャパン(現在21店舗)と共同で設立した新会社(株)エッセンシュアルズジャパンで「essensuals」ブランドにて直営・FCで40店を目標に置き、グループ全体として直営店・パートナーシップサロンで600店、メンバーシップサロンで400店の規模を目指す。
③(株)田谷 (東証1部上場)
一方、(株)田谷のみ拡張路線ではなく、既存店の収益率向上を図る。
5月発表の3ヶ年中期経営計画「TAYA-Solid 2010」の中で、デザイナーの質的量的確保・メニュー&サービスの個別化、効率的な店舗拡大としてスクラップ&ビルド、リニューアル、移転、ブランド転換、ドミナント方式での店舗出店により、エリア&シェア拡大を図り収益力を向上、出店数で26店舗増(現在144店舗→目標170店舗)、売上高20%増、経常利益・純利益ともに2倍を目指す。
他にも、ビックモア株式会社(美容室EARTH 全国に85店舗)のように多店舗展開しているサロンは多数あるが、非上場なので不明。
オーバーストアと言われ続けながらも増え続ける美容室。
資金力のある巨大サロンチェーンの台頭に、危機感を抱いているのは既存サロンの個人事業主だけではありません。むしろ物流・流通・PB等の面から、メーカーやディーラーの方が先に淘汰されるかもしれません。